米国高配当ETFを買おうと思っているけど、実際どのETFを買ったら良いか迷っている。
この記事では実際にFIREをしている私が、米国高配当ETFの選び方と買い方を説明していきます。
※これから継続的に米国高配当ETFを購入しようと思っている方はブックマークで保存し、忘れたら何度も見直してください。
自分に合う高配当ETFの種類と買い方・売り方
構成の異なる高配当ETFが多数存在しているので、いくつか紹介します。
高配当ETFなので、どれを買ってもそんなに変わりはありません。為替や買うタイミングで大きく変わってくる商品だと思っています。
米国高配当ETFとは
Exchange Tranded Fundsの略で別名「上場投資信託」とも呼ばれます。特に覚える必要はありませんが一応ETFの説明は書いておきます。
米国高配当ETFは、配当を多く出す企業の株式で構成されている米国の上場投資信託のことを言います。
複数の高配当を出す企業の株をまとめてセットにしたような商品という感覚で理解しておいてください。
米国株を買うのに適した証券会社はこちらの記事に書いています。
米国高配当ETFの種類
- SPYD(SPDRポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF)
- HDV(シェアーズコア・米国高配当ETF)
- VYM(バンガード・米国高配当ETF)
- QYLD(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF)
- PFF(iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF)
それぞれの米国高配当ETFの特徴と買うタイミング
高配当ETFとインデックス投資の商品との違いはキャピタルゲイン狙いかインカムゲイン狙いかの違いです。
キャピタルゲインは値上り益を狙い、インカムゲインは配当益を狙います。
インデックス投資の場合はドルコスト平均法を用いることで、買うタイミングは全く関係なく最低10年~15年の月日を味方にし、毎月同じ金額を買い続け、リスクを極限まで減らしリターンを最大まで狙えます。
しかし、高配当ETFの場合は商品自体の値上がりがそんなに見込めないので買うタイミングがとても重要になります。
なので、それぞれの買うタイミングを簡単に説明していきます。
SPYD(SPDRポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF)
SPYDはS&P500採用銘柄のうち、高配当銘柄80種を均等に組み入れている商品です。
現時点での上位組み入れ10銘柄は以下のようになっています。
銘柄名 | ティッカーシンボル | 保有比率 | 業種 |
Chevron Corporation | CVX | 1.369936 | エネルギー |
Exxon Mobil Corporation | XOM | 1.342535 | エネルギー |
Edison International | EIX | 1.332701 | 公益事業 |
Public Service Enterprise Group Inc | PEG | 1.317855 | 公益事業 |
Franklin Resources Inc. | BEN | 1.308572 | 金融 |
Consolidated Edison Inc. | ED | 1.295177 | 公益事業 |
FirstEnergy Corp. | FE | 1.293562 | 公益事業 |
Southern Company | SO | 1.289077 | 公益事業 |
3M Company | MMM | 1.288089 | 資本財・サービス |
Valero Energy Corporation | VLO | 1.284394 | エネルギー |
SPYDの資産構成は以下の通りになっています。
景気に左右されやすい業種なので、米国株の調子が良くない年には影響を受けやすいと思うので価格は上がりにくいと思いまうす。
SPYDの価格推移は以下の通りです。
価格の推移を見ていると、2021年~2022年の間では約38ドル~45ドルの価格を行ったり来たりしています。
コロナショック時には25ドルを下回っていますが、さすがに歴史的な暴落が無い限りそこまで下がらないとしても、40ドルを割るくらいで買っていくのが良いかと思いますね。
40ドルを下回った時。為替は気にしない。
(40ドルはあくまで参考価格なので、何ドルで買うか?はご自身で決めて下さい)
※為替を気にしない理由は最後にまとめて説明します。
45ドルを上回った時。
(45ドルもあくまで参考価格です)
長期目線でうっすらと右肩上がりとはいえ、価格の上昇は見込めないのでキャピタルも欲しい人は40ドルを下回った買い、45ドルを上回った時に売る。
これを繰り返すことでキャピタルを作り出せます。チャートの歴史を見ても5ドルの幅を行ったり来たりしているので十分狙えます。
HDV(シェアーズコア・米国高配当ETF)
財務健全性が高く持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い米国企業を集めた商品です。
現時点での上位組み入れ10銘柄は以下のようになっています。
銘柄 | ティッカーシンボル | 保有比率(%) | 業種 |
---|---|---|---|
EXXON MOBIL CORP | XOM | 7.59 | エネルギー |
JOHNSON & JOHNSON | JNJ | 6.44 | ヘルスケア |
CHEVRON CORP | CVX | 5.44 | エネルギー |
VERIZON COMMUNICATIONS INC | VZ | 5.29 | 通信 |
ABBVIE INC | ABBV | 5.27 | ヘルスケア |
PHILIP MORRIS INTERNATIONAL INC | PM | 4.00 | 生活必需品 |
COCA-COLA | KO | 3.84 | 生活必需品 |
MERCK & CO INC | MRK | 3.83 | ヘルスケア |
CISCO SYSTEMS INC | CSCO | 3.56 | 情報技術 |
BROADCOM INC | AVGO | 3.53 | 情報技術 |
HDVの資産構成は以下のようになっています。
景気に左右されにくい業種で構成されているので商品自体売られにくく価格を見ても
HDVの価格推移は以下の通りです。
HDVの価格は右肩上がりに上がっています。
高配当ETFなのに価格も上がる素晴らしい商品だと思います。
ここ2年程では85ドル~110ドルを推移していますが、基本右肩上がりなので愚直に毎月一定金額で買い続けても良い商品だと思いますが、ポイントを絞って買うとしたら90ドルを下回った時かなと。
90ドルを下回った時。為替は気にしない。
※為替を気にしない理由は最後にまとめて説明します。
VYM(バンガード・米国高配当ETF)
高配当利回り銘柄で構成された、時価総額加重平均型の株価指数です。
REITを除く、時価総額の大きい高配当銘柄の米国株400社ほどで構成されています。
現時点での上位組み入れ10銘柄は以下のようになっています。
ホールディングス | ティッカーシンボル | 保有比率(%) |
---|---|---|
ジョンソン&ジョンソン | JNJ | 3.48% |
エクソンモービル社 | XOM | 2.69% |
プロクター・アンド・ギャンブル社 | PG | 2.56% |
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー | JPM | 2.45% |
ファイザー社 | PFE | 2.21% |
シェブロン社 | CVX | 2.12% |
ホームデポ株式会社 | HD | 2.11% |
イーライリリー&カンパニー | LLY | 2.04% |
アッヴィ株式会社 | ABBV | 2.02% |
コカ・コーラ社 | KO | 1.83% |
VYMの資産構成は以下のようになっています。
多種多様業種と400社ほどで構成されているので、このETFを買うことでざっくりと分散投資も勝手にしてくれます。
VYMの価格推移は以下の通りです。
HDV同様にVYMも右肩上がりなので、タイミングを見計らって購入しなくても、定期的に買い付けを続けているだけで資産は膨らむ商品ですね。とても優れていると思います。
しかし、どうしてもタイミングを見計らってと思うなら、ここ2年程では100ドル~115ドルあたりを行ったり来たりしているので、100ドルを切ったら買い付けですね。
100ドルを下回った時。為替は気にしない。
※為替を気にしない理由は最後にまとめて説明します。
QYLD(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF)
今回紹介しているETFの中で一番複雑な内容で利益を出すETFです。
簡単に説明すると「買う・売る」の権利の売買で利益を出す商品です。なので構成銘柄の価格が上がったからといって、まるまるその分の利益が価格に反映されるわけではありません。
現時点での上位組み入れ10銘柄は以下のようになっています。
銘柄名 | ティッカーシンボル | 保有比率(%) |
---|---|---|
APPLE INC | AAPL | 14.50 |
MICROSOFT CORP | MSFT | 11.57 |
AMAZON.COM INC | AMZN | 7.57 |
TESLA INC | TSLA | 5.09 |
ALPHABET INC-CL C | GOOG | 4.03 |
ALPHABET INC-CL A | GOOGL | 3.86 |
NVIDIA CORP | NVDA | 3.52 |
META PLATFORMS INC | META | 3.01 |
PEPSICO INC | PEP | 2.21 |
COSTCO WHOLESALE CORP | COST | 2.19 |
QYLDは権利の売買なので資産構成も特に関係ありません。
QYLDの価格推移は以下の通りです。
先に紹介したSPYD・HDV・VYMと比べると買うタイミングは非常に難しいETFと思いますが、配当が基本10%を超える商品で、毎月配当が一番の魅力なので20ドルを下回っていたら買いで良いと思っています。
20ドルを下回った時。為替は気にしない
※為替を気にしない理由は最後にまとめて説明します。
21ドルを上回った時。
QYLDは基本的にキャピタルが見込めませんが、それでも18ドル~24ドル付近で何度も推移してるのが分かるので、買うタイミングはと売るタイミングを決めて売買を繰り返すと、配当もうまく貰いながらキャピタルゲインを自分で作り出せます。
PFF(iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF)
SPYDやVYMに比べるとあまり聞き覚えのないETFだなと思われるかもしれませんが、QYLD同様に毎月配当型のETFです。
このETFも高配当の企業の株を495社集めた商品になります。
現時点での上位組み入れ10銘柄は以下のようになっています。
銘柄名 | ティッカーシンボル | 保有比率(%) | 業種 |
---|---|---|---|
BROADCOM INC | AVGO | 3.34 | 資本財・サービス |
WELLS FARGO & COMPANY SERIES L | WFC | 1.85 | 金融機関 |
NEXTERA ENERGY INC | NEE | 1.30 | 公益事業 |
DANAHER CORPORATION | DHR | 1.30 | 資本財・サービス |
BANK OF AMERICA CORP | BAC | 1.27 | 金融機関 |
CITIGROUP CAPITAL XIII | C | 1.22 | 金融機関 |
NEXTERA ENERGY INC | NEE | 1.05 | 公益事業 |
JPMORGAN CHASE & CO | JPM | 0.98 | 金融機関 |
NEXTERA ENERGY INC | NEE | 0.92 | 公益事業 |
JPMORGAN CHASE & CO | JPM | 0.86 | 金融機関 |
PFFの資産構成は以下のようになっています。
金融業に60%以上も偏っていますので金融ショック時には大きく価格が下がります。なので、配当目的で持ち続けることが大きなカギになるでしょう。
PFFの価格推移は以下の通りです。
ここ10年ほとんど横ばいで価格が推移しています。
なのでキャピタルは全く狙えません。買うタイミングは35ドルを下回ったらで良いと思います。
35ドルを下回った時。基本買ったら売らない。為替は気にしない。
※為替を気にしない理由は最後にまとめて説明します。
それぞれの経費率と配当利回り
以下5つの高配当ETFを紹介しました。
- SPYD(SPDRポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF)
- HDV(シェアーズコア・米国高配当ETF)
- VYM(バンガード・米国高配当ETF)
- QYLD(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF)
- PFF(iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF)
現時点での経費率と配当利回り(2022年8月2日現時点)はこちらです。
商品名 | 経費率 | 配当利回り | 配当月 |
SPYD(SPDRポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF) | 0.07% | 3.7986% | 3.6.9.12 |
HDV(シェアーズコア・米国高配当ETF) | 0.08% | 3.0492% | 3.6.9.12 |
VYM(バンガード・米国高配当ETF) | 0.06% | 3.0100% | 3.6.9.12 |
QYLD(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF) | 0.60% | 11.6958% | 毎月 |
PFF(iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF) | 0.45% | 4.6699% | 毎月 |
SPYD・HDV・VYMの配当利回りは3%代ですが、キャピタルも狙える高配当ETFと考えると、利回りが低くても十分に投資対象としては優れています。
QYLD・PFFに関してはキャピタルはほとんど狙えませんが、高い配当利回りを受け取れるので経費率が高くても安定したインカムを毎月得られます。
どちらを選択するかは本人の好みになるので自分の生活にあった商品を選んでください。
自分の年齢や現在の資産や収入によって買っていく商品は変わるよね。
20代~30代ならHDVやVYM。
40代以上ならSPYD・QYLD・PFFで良いと思うで。
為替は気にしない
今回紹介した高配当ETFは全て米国のETFなので当然為替の影響はあります。
しかし、為替の推移は株価の推移よりも分かりません。なので構えようがないんです。
長い歴史を見ると1㌦270円の時代もありましたが、遠い昔話です。
ここ20年では2022年7月14日につけた、1ドル138.9785円が最大の円安となってます。米国株を買う場合はできるだけ円高で買いたいのは分かります。
ではこちらの図をご覧ください。
ドル/円の推移が青色、黄色はVTIというETFのチャートの推移です。(VTIは米国4000社の指数に連動したETF)
円高で買いたいのは分かりますが、円高になってきたらETFの価格も上昇していっています。
つまり円安で米国株が安くなるのと変わらないんですよね。
ではこちらの図はどうでしょうか。
赤い丸の部分はコロナショック時のドル/円とVTIの推移です。
1ドル105円程まで円高が加速し、米国市場を表すVTIの価格も115ドルまで下がりました。こういう時に買えればその後の為替でも儲かり、株価のキャピタルでも儲かるので2重で利益を出すことができます。
逆を言えば、こういった時しか為替を味方につけるのは難しいということです。
なので普段買うときに為替が気になるかもしれませんが、自分で決めたETFの価格だけ注目し、購入していきましょう。
税金
配当金には税金がかかります。日本株でも米国株でも関係なく税金はかかります。
しかし米国株の配当金は20%+10%。つまり合計30%程入金時に引かれてしまうので、確定申告で取り戻す必要があります。
まとめ
それぞれのETFには買うタイミングや売るタイミングがありました。
商品名 | 買うタイミング | 売るタイミング |
SPYD(SPDRポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF) | 40ドルを下回った時 | 45ドルを上回った時 |
HDV(シェアーズコア・米国高配当ETF) | 90ドルを下回った時 | 基本売らない |
VYM(バンガード・米国高配当ETF) | 100ドルを下回った時 | 基本売らない |
QYLD(グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF) | 20ドルを下回った時 | 21ドルを上回った時 |
PFF(iシェアーズ優先株式&インカム証券ETF) | 35ドルを下回った時 | 基本売らない |
しかし買うタイミングや売るタイミングは過去の実績を基に出した計算上の価格なだけで、実際これからタイミング良くそれぞれの価格になるかは不明です。
高配当ETFは大好きな商品なので積極的に買ってるで。
ある程度元金が無いと納得する配当金は得られませんので、最初はインデックス投資でコツコツ積立て行くのも一つの手です。
興味のある方はこちらの記事をどうぞ。
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