いよいよ投資先の話しをしていきます。
この第三章ではどこに投資をするのか、タイトルで書いてしまっているので、「米国でしょ」と言われそうですが、米国へ投資といっても色々と種類があります。
- 米国個別株(Microsoft・Amazon・Apple…etc)
- 米国ETF(VTI・SPYD・VYM…etc)
- 米国企業を対象とした投資信託(楽天VTI・eMAXIS Slim S&P500…etc)
- 米国国債
- 米国REIT(不動産)・・・etc
書いていくと色々とありますが、初めての方からすると上記だけでもややこしいなと思ってしまいますよね。
結論からいうと僕は米国ETFにプラスして米国個別株が良いと思っていますが、初めて投資をスタートする方は米国企業を対象とした投資信託のみでも問題ないでしょう。
それは為替手数料や買い時をそんなに見極めることなく、サクッとスタートできますし、前回(第二章)でお勧めした証券口座なら毎月自動積立設定ができるので簡単に継続できます。
どこの証券会社で証券口座をつくったら良いのか知りたい方は前回の記事を見てください。
こちらは前回の記事です。
第二章で紹介した証券口座、もしくは自分が生活する中で一番プラスになる他の証券口座の開設ができたら、詳しい商品の話しをしていきます。
買うべき米国株の種類
なぜ米国株に投資をするのか
100年後の未来
米国株に投資をせよ
日本株も含め世界中の株を買えるのになぜ米国なのかを説明していきますが、どんな投資商品があるか気になると思うので、先に米国の優良なETFや投資信託を紹介します。
優良ETF・投資信託
優良な米国ETFを紹介していくと沢山ありますが、3つに絞ります。
- VTI
- VOO
- VYM
米国ETFを初めて買うならこの3点のどれかで大丈夫です。そして投資信託でえらぶならこちらですね。
では順番に説明していきます。
- 日本では上場投資信託とも呼びます。
- ETFが連動をめざすのは日経平均株価やダウ平均株価などの複数銘柄の指数なので1つのETFに投資をすれば必然的に複数銘柄へ分散投資ができる商品です。
- 投資信託とほとんど変わりませんが、唯一違う点は個別株と同様に市場が開いている時間は自由に売買ができます。
- 個別株と投資信託の特徴を併せ持ったような商品ですね
- 通称、ファンドと呼ばれる金融商品です。
- ETF同様に複数銘柄の指数に連動することを目的とし、運用のプロが投資家から集めたお金で株や債券などを運用するので購入すると複数銘柄への分散投資ができます。
- 投資信託は上場していないので、ETFのように市場が開いているリアルタイムでは売買できません。
- 取引ができるのは一日に一回だけです。
VTI
「Vanguard Total Stock Market Index Fund」を略してVTIと呼んでいます。
米国の小型株・中型株・大型株の約4,000社の株価指数に連動したインデックスファンドなので、米国企業を全て1パックにしたような商品ですね。年間でかかる経費率は0.03%と破格の安さです。
AppleやMicrosoftなどの大型株が上位銘柄トップ10に入っていますが、小・中型の株価指数まで組み込まれているので、米国の景気が全体的によくなるとかなり大きく上昇が見込まれるETFになりますね。
VTIを買うだけで4000社に分散投資ができるので米国株中心に買うとはいえ、手っ取り早くリスクヘッジがしたい人にはお勧めです。
VOO
「Vanguard 500 Index Fund」を略してVOOと呼んでします。
通称「S&P500」といわれる株価指数に連動したETFで、米国を代表する500社の株価指数がポイントになってます。年間でかかる経費率はVTIと同じ0.03%でこちらも破格の安さになってますね。
スタンダード・アンド・プアーズ500種指数
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスが算出しているアメリカの代表的な株価指数である(ウィキペディアより)
Apple・Google・Microsoft・Amazonなどのハイテク株が成長すると、大きく上昇するETFになります。
VTIと同じく上位組み入れ銘柄は同じですが、比率が違うので少しVTIとは価格変動が変わります。
VYM
「Vanguard High Dividend Yield」を略してVYMと呼んでいます。
VTIやVOOとは少し違い、米国企業の中でも高配当銘柄を中心に構成されたETFになっているので、VTIやVOOと比べると長期的に見た場合パフォーマンスが劣っています。
とはいえ、長期チャートをみると右肩上がりではあるので、十分投資対象としては魅力的です。
こちらは紹介したETF(VTI・VOO・VYM)のチャートです。
所々暴落はあるものの長期で見た場合はどれも綺麗な右肩上がりになってます。
なので、3点のETFのうちどれを買ったとしても時間を味方につけてコツコツと積み上げていくと大きな利益に繋がる傾向があるので一気に買うよりも毎月一定金額を積み立てるやり方をお勧めします。
しかし、ETFの場合は証券会社によっては積立設定が出来ないので基本的には自分で毎月決まった日に一定金額の買い注文を出さないといけません。
なので買うタイミングの見極めを自分でやらないといけない所が初心者の方には少しハードルが高く感じると思います。何度か買い増しできたら何てことはないんですが。
株価が下がった時に大きく買い増しするのがベストなんですが、毎月決まった金額を買うと決めても「次の日の方が安いかもしれない」など感情が邪魔することは慣れた方でもしょっちゅうあります。
実際に2日3日後の方が安くなった時はメチャクチャ悔しいですね。
なのでETFに投資をしたいけれど、日々株価に振り回されたくない方は投資信託の方をお勧めしますので、次の優良投資信託を検討してください。
楽天・全米株式インデックスファンド or SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
「楽天・全米株インデックスファンド」も「SBI・V・全米株式インデックスファンド」も米国企業をまるっと買ってしまう、ETFでいうところの「VTI」のような投資信託になります。
楽天が窓口かSBIが窓口かというだけですね。
楽天・全米株インデックスファンドは2018年~で、SBI・V・全米株式インデックスファンドは2021年7月からなのでわりと新しい商品にはなりますが、商品の中身は米国企業全体の株価指数に連動したインデックスファンドです。
インデックス=市場の動きを示す指数。
なので、インデックスファンドは日経平均株価やダウ平均株価などの株価指数に連動した値動きを目指す投資信託のことになります
「楽天・全米株インデックスファンド」も「SBI・V・全米株式インデックスファンド」も買付手数料は無料(ノーロード)になってます。これだけでもずいぶん昔と変わりました。
いまだに買付手数料が3%以上取られる投資信託もあります。アクティブファンドと呼ばれる投資信託に多いですね。
プロの運用マネージャーが平均値以上の運用実績を目指すファンド(投資信託)になります。
簡単にいうと、日経平均株価やダウ平均株価の株価指数に連動したインデックスファンドよりも高いパフォーマンスを目指すファンドになりますね。
なので、アクティブファンドでは年間でかかる信託報酬が2%もかかる商品も多々ありますが、「楽天・全米株インデックスファンド」は年間0.162%。「SBI・V・全米株式インデックスファンド」は年間0.0938%と超低コストになってます。
投資信託の場合は毎月決まった日に決めた金額を自動で積み立てをする設定ができるので、ETFに比べるとメチャクチャ楽だし、忘れることもでき本業に専念できるのがメリットです。
インデックス投資の場合は長い期間(時間)を味方につけて運用するので、忘れてる位がちょうど良かったりもします。
投資信託は自動積立の設定をしてしまうと本当にやることがなくて、投資をしている実感はありません。いざ始めても「こんなもんか」と退屈に感じるでしょう。
次に、これからも米国株へ投資をする理由を説明していきます。
世界の新しいイノベーションは常にアメリカから
いうまでもなく、現在私たちの生活に欠かせないものは米国企業が提供しているサービスが多いですよね。
金融関連では「visa」や「mastercard」。ネット通販では「Amazon」。エンターテイメントでは「YouTube」や「Netflix」。スマートフォンでは「Apple」。インタネット関連では「Microsoft」や「Google」など幅広いです。
その中でも特に通称「GAFAM(ガーファム)」は、米国の巨大ハイテク企業である5社の頭文字をとった造語として有名です。
Google・Apple・Facebook・Amazon・Microsoftのそれぞれの頭文字を繋げた呼び名。
2020年に日経新聞ではGAFAMの時価総額が合計で日本円にすると560兆円となり、東証一部に上場する2170社の合計を上回るという報告がありました。
560兆円といわれてもあまりに桁違いでピンときませんが、日本の企業が集団で戦っても勝てないくらい巨大な企業になっているということです。
それだけ世界で必要となった、もしくは必要にさせた新しいイノベーションを起こす企業は米国を中心に出ているので、今後も米国が中心になる確率がかなり高いという訳です。
今後も米国がビジネスの中心になるということは、米国株の上昇にも繋がるということになります。
中国企業に関して
先ほどGAFAM(ガーファム)の話をだしましたが、中には中国企業も伸びてきているという方もいると思います。
実際にアリババという企業は急成長を見せていて、2020年のコロナショック後、GAFAMやその他の米国企業以上の株価の高騰を見せつけました。
しかし2020年の末からは失速し現在は2017年以来の水準まで株価は下がっています。
中国は企業がいかに好調であったとしても、1党独裁で共産党の動きによって大きく左右されてしまいます。
そういったことからも米国株がいかに優れているかを理解して頂けるのではないでしょうか。
米国の株価の歴史
このチャートはダウ平均株価のチャートです。米国の歴史そのものですね。
長い目で見ると右肩上がりですが、やはり要所要所では暴落もしています。しかし、暴落を繰り返すたびに持ち直していきました。
チェックしてほしいポイントは歴史的な暴落も回数を重ねるごとに早く回復しているという事実。
特に2020年のコロナショックによる暴落ではその後1年足らずでV字回復どころかコロナ前よりも上昇しているんですよね。
FRBによる金融緩和政策など今までの暴落の経験則からスピーディーに対策が行われた結果が、株価にも影響したんだと思ってます。
今後も今までのような暴落は何度もあると思いますが、これまでの経験を活かし、より早い対策で株価を持ち直させることでしょう。
忖度の少ない国
「忖度」に関しては、よく日本と比較してしまうのですが、国民性ともいうべき部分でしょうか?
日本は1641年から1853年の間、徳川幕府により鎖国期間が約200年間ありました。その間オランダと中国のみが日本との貿易を許されていたわけなので、島国である日本は基本日本人しかいませんでした。
しかし米国はサラダボールともいわれ色んな人種が集まり、いまだに人種差別もありますが色んな意見が色んな角度から飛び交い共存しています。
「忖度」というのは良い部分もあり悪い部分もありますが、どうしても自分の立ち位置を計算し無難に物事を進めてしまう所が日本人にはあるように感じてしまいます。
米国人全てではありませんが、自分の意見をはっきり伝える。「良いものは良い」「悪いものは悪い」と主張する文化のある国なので、その忖度が少ない部分が株価にも影響を与えていると考えています。
日経平均は日本の主要な企業225社の株価指数で、米国でいうとS&P 500(スタンダード・アンド・プアーズ500種指数)のようなものです。
しかし、日本の日経平均株価に組み込まれている企業はここ何十年もそんなに入れ替わりがないのに対して、S&P 500はしっかりと第1四半期~第4四半期(ようは1年を通して)まで黒字であり、経営状態が良好でないと外されてしまいます。
いくら老舗の企業であっても、ダメなものはダメなんですね。逆に今まで全く利益が出ていなくてもしっかりと企業として立ち直り評価されればS&P500に組み込まれます。
そうした忖度のない判断が米国の株価を長期にわたり右肩上がりに押し上げているのです。
値幅制限
日本の市場では必ず値幅制限があります。一日に動く株の価格に制限があるということです。
例えば株価が100円未満の銘柄なら1日に動く値幅の制限は30円だったり、1000円以上1500円未満の銘柄であれば、1日の値幅制限は300円までとすべての取引所において共通になっています。(株価により細かく値幅制限はあります)
- 前日終値:前日の市場でついた最終価格
- 始値:市場が始まった時の価格
- 高値:1日の取引の中で一番高い価格
- 安値:1日の取引の中で一番安い価格
なので、業績の良い企業でもしっかり上がりきらなかったりするんですよね。
しかし、米国株は値幅制限がないので下がる時はしっかり下がりますが、上がる時もしっかりと上げてくれます。業績のよい企業の株価は上がりやすい傾向にありますね。
業績の良い企業の株価がしっかりとマーケットに反映してくれるのは個人投資家にとって嬉しいことで、安心して投資ができます。
余談ですが、値幅制限が無いことで2021年にゲームストップ事件が起こりました。
個人投資家vs機関投資家の大戦争。
米国にある『ロビンフッド』という証券会社に集まった個人投資家(通称:ロビンフッダー)がゲームストップ(当時1株18ドル程度)の株価を大勢で買いまくり、1月末には前年末の18倍にまで上昇する結果となる。空売りをしていた機関投資家が株価の上昇に耐えきれず買い戻すことでゲームストップの株の最高値は1株500ドル近くまで上昇。機関投資家の大損害になった出来事。
米国でも中々起こる出来事ではありませんが、値幅制限のある日本では絶対に起こらないことですね。
今後100年後の未来
株価の答え合わせは未来にしかないので、今現在で保障したり断言できたりすることはできませんが、100年後の世界経済がどうなっているかを数字をみて判断することは出来そうです。
プロのアナリストに聞けば判断基準は色々とあるんでしょうが、簡単に考えられるのは人口が増えれば色々な消費量も増えるので、経済的に上昇傾向だと思います。
米国の人口はまるで株価と同じように右肩上がりで推移しています。
2019年に国際連合が発表した世界の人口予測では2050年には米国の人口は3億8000万人に増加するとまで言われている中、日本の人口は2030年には1億1600万人・2060年には8600万人へと減少すると言われています。
もちろん人口増加が株価の全てでは無いにしても、経済は人で回っているので単純に人数が多ければそれだけ経済も回ります。
なのでちゃんとした答え合わせは未来にしかありませんが、100年後の未来ではまだまだ米国経済は発展していると予測できそうです。
まとめ
数ある投資先の中から「米国株」を選択する理由を理解して頂けたでしょうか。
- VTI (Vanguard Total Stock Market Index Fund)
- VOO (Vanguard 500 Index Fund)
- VYM (Vanguard High Dividend Yield)
歴史を辿っても、未来を予想しても今後100年近くはまだ成長し続けていく米国株に投資をするメリットはたくさん残っていると思ってます。
これから一時的に新興国株などがトレンドになり上昇した時、目移りしそうになるかもしれませんがこれから初めて投資をされる方やまだ初心者の方は愚直に米国株に積立てを続けてください。
株のトレンドは必ずまた回ってきます。その時、米国の発展と共に恩恵を享受できるようにしましょう。
第三章は少し長かったので疲れましたか?米国株に投資しせよと言ったからにはその理由を知って頂きたかったからです。
もしこの記事を読んで頂いて、自分自身の懐にドシっと落ちていれば米国株が1年、2年停滞している時でも投資を続けていけると思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
第4章へ進みましょう。
こちらは株式投資に関しての目次記事になります
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